昨年末に1泊滞在で利用した嬉野温泉 和多屋別荘。私も幼き頃からその存在は認識しており、また両親に連れられて幾度となく利用した記憶は今も残っています。嬉野温泉自体、江戸時代からの宿場町だったこともあり、その歴史は薩摩藩(島津家)が旅の途中に休息していた上使屋に端を発しているそうです。
前回の利用は5-6年程前だったと記憶しており、ここ最近一部の客室をリニューアルしたという情報を受け足を運んでみました。その滞在はどうだったのでしょうか?
私の記憶も曖昧なのですが、到着時に伺える本館及びタワー館の外観にさほど変化は見られません。ちなみに嬉野温泉内でひときわ目立つ高さのタワー館は、その多くが一般客室の構成となっており、団体客などは殆どがタワー館にアサインされるようです。
敷地内でまず目に付いたのがこの建築物。聞けば「茶室」だそう、大胆な茶室ですね。実際、躙り口(にじりぐち)などが設けられてますが、畳に座る形式でもなく、炉もありません。よって喫茶室といった方がよさそうです。滞在中、利用するゲストは見掛けませんでした。
Check-In
広大な敷地を有する和多屋別荘、いわゆる昔ながらの大型旅館ということでレセプション周りも相当広く、団体客が一斉に訪れても手狭感はありません。そしてリニューアルされた一端をレセプションで垣間見ることができました。空間の造り、椅子やテーブル全てが一新されていますね。
レセプション横にはラウンジスペース、そして外に出れば足湯スペースとデッキスペースが一体となり、開放感の高い造りに改装されていました。これはなかなか良い感じです。
客室(うづき)
アサインされたのは本館(みやび館)の2Fに位置する露天風呂付客室の「うづき」。
↓マップでいえば、お土産処のちょうど真上辺りといえる位置。
フロアプランは8帖+広縁+内湯+露天の構成。
8帖の和室は以前のままで、おそらく内湯及び露天風呂部分をリニューアルしたものと思われます。
天候にも恵まれたため内湯はシャワーのみ使用。露天は大容量の檜製、泉質はナトリウム(炭酸水素塩)・塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)、肌触りは化粧水のようなトロトロ感。島根県「斐乃上温泉」、栃木県「喜連川温泉」と共に美肌の湯として有名な嬉野温泉です。
屋根の軒(のき)が一切掛かってない100%の露天風呂で開放感が高く、取り付けられている窓から外部を覗くと嬉野川及び向かいの敷地に建設されている特別湯殿「心晶」が見えます。また茶処とあって、客室に備え付けてある嬉野茶が美味でした。
Dinner(牛賓館)
ディナーは館内のレストラン「佐賀牛賓館」で頂きます。食事処は2ヶ所設けられており、ゲストのディナー内容でレストランが振り分けられる様子。我々は佐賀牛+若楠豚焼肉コースを選択しました。
献立は↑サムネイルを見て頂くとして、焼肉なので御飯やデザート以外の物は一気に運ばれてきます。仲居さんのペースに合わせる必要も有りません。自分達のペースで食せるため結構気楽だったりしますw
結果をいえば総じて美味しく頂けたのですが、肉の量が我々には多過ぎ、少し残してしまいました。逆に物足りなさは一切ありませんので、大量に食せるゲストにもこの内容は好評だろうと思います。
Turn Down
食後、客室へ帰る前に各パブリックスペースを散策。他ゲストの気配はありませんが、これでも館内は満室とのこと。実際、大陸系の団体客が大勢いるものの、その方々は皆地下の大ホールで食事を摂っているようでした。
さすがは大型旅館、お土産処も店舗内にはカフェなどが運営されており、ちょっとした道の駅並みの規模です。
客室へ帰り、本来の目的である温泉を就寝するまで楽しみます。(サムネイルを拡大しないと見えませんが)晴れ渡った夜の空には月やオリオン座が輝いていました。
湯上りにはアイスと嬉野茶、気持ちの良い脱力感のまま就寝。
Morning Buffet
朝食会場はタワー館の地下にある大ホールで頂きます。夕食と異なり、館内全てのゲストがココ1ヶ所に会し食するため、時間帯によっては非常に混み合うようです。なんだか体育館のような造りですね。
全ては撮影しきれていませんが、品数は相当なもの。人の多ささえ気にしなければ充実した朝食を頂けます。個人的には量より質で、ゆっくりと静かに食したいw
普段はあまり飲まない緑茶も、今滞在中は結構な量を頂きました。
Check-Out
嬉野川を挟んで、現在は宿泊施設として使われていない向かいの旧館がギャラリーとして再利用されていると聞き、チェックアウトまで作品を見て楽しみます。ちなみに妻は温泉を楽しんでいたようですw
あまり皆さん興味が無いようで、終始ギャラリー内は私1人、おかげでゆっくり作品を鑑賞することができました。また、ひょんなことから二代目の若社長(私より年下)と話す機会に恵まれ、今回お世話になった客室の一部リニューアルについてや、今後の展望など興味深いことを伺いました。
歴史ある旅館で色々とご苦労もあるようですが、今後も嬉野温泉の中心的存在である和多屋別荘であって欲しいものです。