本日、外出先から予約済みの旅程を変更するためダイヤモンドデスクへ電話すると、珍しく長時間の「待ち」が発生していました。
不思議に思って問い合わせると、先日リニューアルしたwebサイトの影響で(不具合も重なって)問合せが殺到しているとのこと。コールセンターの方々も大変そう(結局は窓口にシワ寄せがくるワケ)で、個人的に同情してしまいます。こういった時に色々と苦言を呈する人は大体決まっていますのでw
しかし既に今回のリニューアルは4年前に発表されているためあくまで予定されていたことであり、目に見えるwebサイトリニューアルがメインではなく、本質は別にあるということ、そして今更慌てて実施したことでないということを認識してない方が少なからずいそうです。(結果として予定より半期早めの導入)
ANA webサイトリニューアルの意義「able-IからAltiaへ」
先に述べたよう、今回のwebサイトリニューアルは2011年5月に発表したANAの予約システム変更に起因しています。ANA独自のシステム「able-I」から、amadeusの「Altia」への変更が原因なのです。間違ってもANA首脳陣の乱心や心変わりではありませんw(この先イミフな方は斜め読み下さい)
ANAが加盟するスターアライアンスでは、amadeusを推奨プラットフォームとしており、以前からANA独自に開発した予約システム「able-I」と、アライアンス間(他エアライン)の予約システム(主なシステムはamadeus)に問題が多発していました。
簡単にいえばANAのable-Iは国際的に見てケータイでいう処の「ガラパゴス化」に近かったのです。
そこで4年の歳月を掛けamadeus「Altia」を導入することで、ようやくグローバルスタンダードに一歩近付いたといえるでしょう。これによって我々はamadeusを利用している共同運航(コードシェア)便の座席指定等が可能となります。
また専門的なことですがamadeusを導入するスターアライアンス加盟航空会社とANAのセグメントが混在するPNRも一つの記録で出せることから他社との連携もスムーズになり、海外現地での(遅延や運休時の振替便など)トラブル時に対しても強くなります。とはいえ、目には見えない部分ですのでwebリニューアルだけが表に出過ぎて、本質の部分が理解し難いのは無理もありませんね。
さらに、amadeusは国際線のシステムですから、日本国内線は今まで通りのシステム「able-D」での運用です。従って国内線⇒国際線⇒国内線などの国内インベントリーが発生した場合、全旅程のPNRを出すべくamadeusとable-D(異なるシステム)間で情報を同期させなければならず、おそらくその部分で想定外の不具合が現在発生しているのではないか?と個人的に推測しています。
amadeusの稼働に伴い、今後able側も対応(リニューアル)が迫られます。よってこの先も予約関連でのゴタゴタは(国内・国際共に)当面続くでしょう。しかしそれはグローバルな視点でこれから先のことを考えると(amadeusが)必要不可欠であり、いつかは導入しなければならず、それがこのタイミングだったというだけです。
不具合は無いに越したことはありませんがw