2016年10月31日という月末の慌しい中、ANAグループの新会社としてANA X(エーエヌエー・エックス)株式会社設立のリリースが行われました。これって何の会社でしょう?
ANA X株式会社概要
◆ANAグループの顧客関連事業を担う新会社「ANA X株式会社」を設立
ANAグループは、「2016~2020年度 ANAグループ中期経営戦略」における戦略の柱として、「エアライン事業領域の拡大」「新規事業の創造と既存事業の成長加速」「攻めのスピード経営の実践」を掲げています。これらを推進するにあたり、ANAグループが提供する多様なサービスで形成され、マイレージプログラムを通じて顧客の流入とご利用を促進するANA経済圏の確立を目指しており、この度、その推進を担う新会社「ANA X (エーエヌエー・エックス)株式会社」を設立しました。
新会社は、12月1日より営業を開始いたします。ANAの会員プログラム「ANAマイレージクラブ」を中心とした顧客関連事業をANAより受託し、搭乗データのみならず、あらゆるシーンにおける顧客データの集積・分析を通じて、お客様一人一人に向いた「One to Oneマーケティング」と事業開発に取り組みます。顧客を軸とした事業展開を実践し、更なるグループ収益最大化を目指すとともに、グループマーケティング力の強化に努めてまいります。
・引用:ANAプレスリリース
プレスリリースによればANAマイレージクラブを中心とした顧客関連事業を展開するのだとか。いままではANAの一部門だった部署が別会社として独立するイメージですね。
・商号:ANA X株式会社(ANA X inc.)
・資本:2,500万円
・株主:ANAホールディングス(85%)/全日空商事(15%)
・事業:顧客関連事業の推進(ANAマイレージクラブ企画・運営、新規事業開発、新規開拓など)
・営業:2016年12月1日営業開始予定
One to Oneマーケティングと謳っていることからも、ANAマイレージクラブ会員(AMC)向けに、より細やかでタイムリーな企画や案内が期待できます。例えば対象者限定キャンペーンなどですね。
勝手に想像するに3,000万人ともいわれる顧客(会員)を有し、その搭乗履歴や渡航先、果ては趣味趣向(機内販売)などなど膨大なデータを利用しきれていない現状だったのではないでしょうか。
過去のデータを分析しブレイクダウン、そして無駄に終わった(採算性の合わない)キャンペーンは行わず効果の高いキャンペーンを増加させる。どの業界でもそうですが会員数が充実してきた次のステージなのだと思われます。
と同時にマイル事業の収益性の高さも伺えます。でなければ別会社など設立しませんねw 搭乗してナンボのマイレージ事業がいつしか仮想通貨となってしまっている現状では、その流通ボリュームをさらに上げることで企業へ大きな利益をもたらすハズですから。
よって今まででは考えられなかったマイル付与(あるいはマイル購入)など(あくまで採算性を前提に)新たなビジネスシーンが登場する可能性も大いにあるでしょう。
とはいえ、何を行うにもやはりANAが気にしている先(別会社設立の核心)は、2010年の会社更生法(経営破綻)から再上場を遂げ、再建最後の年(2016年度末まで国交省の監視下)から来年度(2017年)解放されるJALの動向なのだと思えてなりませんw