このブログは「クレジット系・マイレージ系・ホテル系」の情報を中心に、その運営会社(売り手)と我々(買い手)における力関係(需要と供給)が「メイン・テーマ」となっています。
私も含めて殆どの方が、「売り手」に対して「買い手」が顧客だと答えます。市場の関係値でいえばそうなりますね。ではどちらに「主導権」があるのかというと、必ずしも「買い手」ではないような気がします。
売り手はその商品を売って(買ってもらうことによって)商売を営み、利益を得ています。顧客あっての商売ですが、では我々(買い手)は、売り手がいなかったらどうするのでしょう?
需要と供給
現在、デジタル製品の主流ともいえるiPadやiPhoneを開発・販売する「apple」ですが、この素晴らしい製品群は「なくても困らないもの」ですし、手にした我々(買い手)は開発の苦労や努力など意識することもなく完成された状態で受け取ります。
しかし「売り手」がいるからこそ発明・製造されるのであって、多くの「買い手」にはそんな発明ができる能力も備わっていなければ、製造する力もお金も時間もありません。
「移動時間が惜しいから自分で飛行機を作った」「PCの持運びがおっくうなのでタブレット端末を開発した」という人が周囲にどれだけいるかというと、私の周りにはいません。
iPadひとつとっても、現状のapple製品は発売と同時に「列ぶ・予約して待つ」など、「売り手市場」になっています。時には「お願いする」ことだってあります。昨今、商品が有り余っているからこそ、「買い手」は「列ぶ・待つ」といった売り手の都合に合わせる必要性がないだけで、これらの力関係は需要と供給のバランスでのみ成り立っている言わば緊迫した状態にあります。
この物が溢れる時代に「品薄」はメーカーにとっても販売店にとっても命取りになり得ます。1社だけが製造・販売しているものであれば買い手は供給を待つばかりですが、独占禁止法などに縛られますし、なおかつ類似商品を製造・販売する「競合他社」という競争相手がいます。ですから競争原理の結果、消費者は潤沢な供給の中にいます、現状は。
オークションとはまさにその反対ですね。1つしかない商品に対して、買い手を選びます。買い手は、売り手から「売ってもらえる」ように高い値付けをしたり、根回しをしたりします。そうやって我々消費者は、限定品や希少価値のあるもの、製造が終了したレトロなものなど、欲しいものを手に入れることができます。
といってもそれは絶対に必要なものでなく、「欲しい」という自分の欲求を満たすための手段であることがほとんどです。欲求を満たすためには、時にはお願いもしなくてはいけないということですね。特に必需品ではなく欲求ですから。
選択肢
同じようにもし絶対的(画期的)な発明に基づく唯一の一社だけが製造・販売する商品であれば、我々は列ぶなり待つなり、又はお願いするなりして手に入れるしかありません。
そう、今の時代を生きる我々には「選択肢」があるのです。が、選択肢が与えられたがために、売り手は唯一の絶対的存在でなくなり、消費者に対する絶対的な責任よりも、競合他社との競争力の強化に追われます。
私が幼いころは、電電公社(現NTT)から電話線を引かなければ遠方の人たちと会話することができませんでした。今はNTTでなくても構いませんし、必ずしも電話線が必要ではありません。様々な通信手段に対する「選択肢」があり、気に入った会社や通信手段を選択することができます。またその会社や通信手段が気に入らなければ他社や他の通信手段に何時でも変更が可能です。
クレジットカードも同様ですね。
決済さえできれば良い人は年会費無料のカードを持てば良いでしょう。
マイレージをためたければJALカードやANAカードを持てば良いでしょう。
高い年会費を払うことが惜しくないのであれば、プレミアムカードを持てば良いでしょう。
必需品ではありませんので、「持たない」という選択肢もあります。
そうなのです。多くの選択肢のある時代に「高い年会費を払うことが惜しくない」と思わせる魅力があるということは素晴らしいことなのです。競合他社の何倍もの年会費を徴収することに成功しているばかりか、消費者(買い手)自らがそれを求め、時には並んだり待ったりお願いしたりするほどまでに至っているのです。画期的とも言えます。
責任
特にインビテーション制といわれるカード類は、不要な人に強要もしなければ、案内を送る必要もありません。売り手は相手(買い手)を選択して案内すればよく、実際にそうしてます。
いらな人はいらない。欲しい人は欲しい。欲しくても手に入らない場合もある。
先方に審査され、通る人もいれば、通らない人もいる。
いざ手にしても、歓迎される人もいれば、そうでない人もいる。
お互いに「選択」した方、された方。「審査」した方、された方というそれぞれの「責任」がありますね。「強制」ではないので、どちらも「選択」しています。
そこに「お互いのハードル」があるからこそ、プレミアム性が出るのであって、誰でも無審査・無責任で手に入るものであれば、誰も欲しくなくなります。
そして我々(買い手)は年会費を支払い、カード会社(売り手)はそれに見合ったサービスを提供し、我々から見合わないと判断されればカード会社は解約されますし、我々はいつでも解約できます。
それがどういうことかと言いますと、多くの人に欲しいと思わせ、なおかつ会員を増やし続けている間は、少なくとも「売り手市場」であるということです。
多くの人が興味がなくなり、欲しいと思わなければ、そのカード(会社)は衰退し、競合他社(カード)が台頭するだけです。我々(買い手)はその結果を見ることができますし、結果が出る前に「売り手」を見切るという選択肢も与えられています。
結論
(私の)結論、
発行各社ごとにそれぞれ「最高峰」のカードは存在しますが、その中でも「JCB ザ・クラス」は現状「売り手市場」にある数少ないカードの1つだと言えます。
今のところ他に良いと思うカードがないので、暫くはメインで使用することになりそうです。
(旧ブログ:2012/12/30の記事を再編集・加筆し移動しました)