昨日リリースされた『ANA マイレージクラブ プログラム改定 』の各内容について簡単に分析したいと思います。あくまで『自己分析(空論)』です、『ANAの意図(真意)』するところとはまるで異なるかもしれませんので予めご容赦下さい。
①NH国際線マイル積算率の改定(2013年4月1日搭乗分~)
⇒これはいわゆる『キャビン(F/C/Y)』及び『ブッキングクラス』に応じて積算率の適正化を図ったものと考えます。現行は『大まかなキャビン別に対する一律積算率設定』だったものが、今後は『支払った対価に対するマイル積算率設定』に変更される、と考えた方がよいようです。よって同じ行程(旅程)を搭乗しても『ブッキングクラスの違い』で搭乗マイルに『雲泥の差』が出ます。
②搭乗ボーナスマイルの改定(2014年4月1日搭乗分~)
⇒ANAカード会員に対し、現行の単純な【区間基本マイレージ×ボーナスマイル積算率】だったものから、さらに『運賃種別・予約クラス毎の積算率』を掛ける計算方法へ変更されます。
⇒プレミアムメンバーの『ステイタス別積算率』が一律ではなくなります。現行より上限は増え、一見改善されたかにも見えますが、初年度を比較すると全て現行ベースより改悪となっています。
例】ダイヤモンドメンバーの場合、現行は一律125%の積算率ですが、改定後は1年目115%・2年継続125%と、2年連続でダイヤモンドを達成しなければ現行ベースになりません。さらに保有のANAカード(ゴールドカード以上)により+5%を上乗せでき、これでようやく130%の最大値まで引上げできることが可能となっています。
ちなみに一般落ちした『平SFC会員』の場合は『ANAカード プレミアム』保有者だけが現行ベースの+50%積算率となり、ゴールドカード(40%)・一般カード(35%)はJALの平JGC会員並みに改悪されます、これは昨年エントリー した考察 通りですね。兎に角、毎年コンスタントに搭乗しなければ現行ベースは維持できない仕様で、今年はANA、来年はJALといった搭乗方法だと、いつまでたっても最大ボーナスマイルは貰えません。
◆AMC プレミアムメンバー ボーナスマイル積算率 現行・改定比較表(2012.1106©ねいん)
③プレミアムメンバー達成条件の改定(2013年1月1日搭乗分~)
⇒この改定が最も早く開始されます。プラチナ及びブロンズの達成条件に『ANA便利用率50%』が必要です。自社便利用比率の向上が目的で、キャリア側の思惑が詰まった当然の改定だと考えます。また利用と修行を促進すべく『全アジア線プレミアムポイント1.5倍』を打出したのでしょう。
④アップグレードポイントの改定(2014年4月1日搭乗分~)
⇒来期からJALは廃止となっています。よってこの制度は『国内キャリア唯一ANAのみ実施』ですから『一律4ポイント付与の廃止』や『アップグレードに対する必要ポイント数の改悪』に対しても文句は言えません。
今回のスキーム改定は『継続搭乗』を促進させることが主たる目的なのだと解釈しています。と同時に過去エントリーした『最上位への着手 』が行われる下準備でもあると感じています。売上(収益)における単価の高い富裕層と法人の構成比はいまだ大きく、海外キャリアとは異なりこの先当面はANA・JAL共に『富裕層』と『法人』の囲い込みへ注力していくでしょう。逆に修行等を行うマイラーに対しては『アジア線でプレミアムポイントは貯まり易い(与える)が、積算マイルは貯まり難い(与えない)』といったニュアンスが伺えます。
何事もそうですが、こういった制度の『変更(改定)』に対する『反応』は後から付いてくるものです、結果は今後の成り行きを見守るしかありません。
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